仁王立ち
2025, Mar 24
シャッターを上げた台所に光が入り明るくなる。中から外はよく見えるのに、外から中は全く見えない。窓には麻のカーテンのうす茶色だけが映っている。胡桃の卓にはりつくように座り、硝子ポットでさくらんぼの香の紅茶を淹れふふっと笑う。
其れに比べると自室は少し暗い。ステンレス製の布団干しを置き布団を掛けているが、其れが邪魔になっている。位置を替えてみたけれど、いまひとつ暗い。うーんと言い、顎に人差し指をあてると、そのままになってしまった。
此処に来てまだ参箇月だよ、と自身に声を掛ける。わりと動いてるじゃない、と自身をなぐさめる。
いつになったら落ち着くのか。あっちもこっちもそっちもやり直したい。本当にやりがいのある家だと腕組みをし仁王立ちをする。