リセット
2025, Jun 14
あたしの手には「ジャズと爆弾」と題された文庫本が乗っている。開高健の此の小説、面白かった、と彼に話すと、うん、と返事をする彼。そして自分も読んだよ、と。それで、今「百年の孤独」を読んでいるのだけれど、趣向がまる・・・と言いかけ、音楽が聞こえ目を覚ました。
音楽は陸時にセットしている目覚まし時計の音楽だった。
余程でない限り目覚まし時計が鳴る前に目を覚ます。疲れていたのだろう。
それにしても意味不明な夢だった。「ジャズと爆弾」は開高健の小説ではないし、まる・・・の後に続く言葉は何だったのだろう。
不可解な夢はリセットしてしまおう。
黒のジーンズに、直したまま壱度も袖を通していない彼のシャツを合わせる。右腰と左肩から胸に掛け大きな花模様のある藍色のシャツは、襟を落とし袖を短くし、袖口にゴムを通したら割烹着のようになった。
足元では亀たちが早くも餌を強請り、窓の外では鳥が誘うようにうたっていた。