すべて緑になる日まで
2024, Apr 28
窓の外は曇り空。Tシャツに割烹着を重ね、壱日ミニディスクと8ミリテープの燃えるものと燃えないものを分け塵袋に詰めることをした。業者に頼めば効率よく片付くのだろうが、肆袋もできた塵袋はあたしたちが愉しい時間を過ごしたことに繋がっている。できるところまで向き合いたい。
彼のことは不器用で損な役回りばかりしている人だと想ってきた。自分も決して器用でも要領がいいわけでもなく、彼には苦労ばかりさせてしまったと時々想ったりもする。それが物の多さを見ると、こんなにも沢山のものを見聞きし愉しんで日々を過ごした人なのだと、捉え方が変わる。
抹茶のガトーショコラとグリーンガーナチョコレイトを新たに供え、お花は伍月になってからね、と彼に話し掛ける。
今日もあたしは泣いてしまったけれど、一緒にいて倖せだったことに繋がることだから、そう云う眼で見てね。自分もそう云う眼で自分を見ている。
なんとなく開けた引き出しから固まってしまった絵具を拾うと、伍月がやってくる前に、大島弓子さんの「すべて緑になる日まで」が読みたくなった。