固定観念
2025, Jun 13
時間になり、いとこが迎えに来る。差し出されたのは御見舞いと記された袋だった。これまで週に壱度母の様子を見に来たり、度々家に呼び泊まらせてくれたりしていた者に対し、御見舞いの頭はなく恐縮しつつも有難く受け取る。
前回見舞ってくれた叔母と叔父と別れた後、御見舞いがなかったことに疑問を感じてしまったのは、以前から彼らの母に対しての態度に違和感があったからだろう。其れは夫と夫の妹弟の関係性に感じたものと似ている。
表面上は他の者に対する態度と相違なく見えるが、ひょいっと何かにつっかかり自分の内で流れが止まる。肆歳の頃には既にそうで、親戚の者が集まったときの会話など、今の叔母の発言が変だったと想い聞いていた。例え会話の内容が理解できなくても、妬みやひがみ、馬鹿にするものがそこに含まれているのは子供でもわかる。
父親と喧嘩し家を出た夫を何かにつけまともになってと、勝手だと言っていた夫の妹弟。母と全く合わないと今でも想っている自分。其れをなかなか変えることはできない。けれど人は異なった見方をすることもできる。
家族に何も知らせず或る日突然方向転換をしてしまう父を想う。
こんな日はパンクロック。引き出しを開け皮のブレスレットを探す。