半年が過ぎ
2025, Jun 17
型崩れしていたつばにスプレーのりを吹く。ラフィア絲で編んだ帽子はいつまで持つのだろう。また編めばいいとは言え、毛絲でも布でも書物でもCDでも此の町で購入するとなると難しく、ましてやラフィア絲。期待しないのが無難だ。
実際眼にし手に取り購入するのを好む。印刷物と描かれた絵が同じでないように、何度経験しても其の瞬間大なり小なりの感動が生まれる。
窓と言う窓を開け、玄関も網戸にし上がり口にのりを吹いた帽子を置く。さっき出窓に置いた小物が倒れたので、結構風はあるのだろう。
今日は台所の卓につき扇風機を廻し、家計簿をつけたり日記を記したりしている。部屋の明るさや涼しさ、すぐにお茶を飲めることを考えたら、夏は台所の卓で過ごすのが壱番だと判る。それに傍に彼がいる。
此処では、台所の大きな窓の前に置いた棚の上が彼の部屋。棚は硝子戸になっている為、中に置いたCDや彼に関する書類がひと目でわかる。
レコードやギターも其の傍に置いたけれど、レコードプレーヤーに繋げるアンプがみつかっていない。
此の町に来て半年。なかなか前に進まないものの後退はしていない。