墓参り
2026, Mar 23
持っていく花は、周りが鮮やかなオレンヂ色をしたきいろのカーネイションにした。石に刻まれた名を見ても、線香を供えても、やはり父や夫が眠っているとは想えず、そそくさと寺を後にする。
なんとかしていくのが生きている者だけれど、いったいいつまで此の長い距離を走れるだろう。傍らにはホトケノザ、なずな、レンギョウ、こぶし、・・・。其の都度自転車の速度を落とす。タクシーを使っても此の景色を見ることはできるのだろうか。どうせなら見たもの全て届けたい。
ただいま。そう言って冷蔵庫からとっておきの木苺と苺の入ったアイスクリイムをとり仏壇の前に立つ。どうせなら見てきたもの全て渡したい。