名残り
2025, Jul 03
今朝は表に小石が散らばっていた。反対側の玄関を出ると、鉢植えのゼラニュームの茎が壱本折れていて、発泡スチロールを入れた段ボール箱が台から落ち中身が飛び出てしまっていた。
窓が割れんばかりに落ちてくる雹も、何処かに落ちたのではないかと想うほどの雷も、家から見える交差点に車のタイヤがほぼ埋まるほどの水溜りになったことも、すっかり消えてしまったようでいて、昨日の雷雨の烈しさは朝の空気やそこかしこに残っていた。
停電になったのもあり恐かったことは恐かったけれど、開けていても雨が入ってこない窓の傍に立ち、ひんやりした空気を肌に当てている時間は悪くはなかった。
尤も此の町のことが余りわかってなく、川の氾濫の注意報に町を流れる小さな川のことを知らず近くの大きな川だと勘違いし、停電で役に立たなくなった防災ラジオに向かい「死ぬときは死ぬのよ。」と語りかけていたのは内緒。
途中にしていることは沢山あるのに、悔いを考えると思い浮かばない。
今あたしは、夢のような時間の続きを生きている。