やさしい世界
2024, Nov 23
或る程度の齢になるまで、周囲の同じ齢くらいの子たちが怖くて仕方なかった。
猫がすごぶる気遣いのできる生き物だとは知らず、彼女が大好きで毎日べったりだった自分。彼女は誰よりも自分の家族だった。毎日帰宅後に出迎えてくれ、毎日一緒に遊んで一緒に眠ってくれた。意地悪な言葉も傷付ける行為もなく、悲しいときはそっと傍にいてくれる。期待も損得勘定もないやさしい世界。
其の後苦労することになったけれど、或の信頼しきった関係は宝物になった。
気遣いも信頼も他人に対しての気持ちや行いであり難しいけれど、誠実であることは自身ひとりですることであって決して難しいことではないと想う。
小さな生き物に、あたしは教えられてばかり。
うとうとして、はっとなって起きた午后。夢を見ていたような、そうでなかったような・・・。
一瞬そこにあると想ったやさしい感触も夢だったのだろうか。