曇り空の日の世界
2025, Jul 13
晴れた日より小雨の日の方が好きだった。雲ひとつない空の色がいい色だと想ったことがなく、雨に濡れ輝いて見える樹木の色が好きだった。空気もひんやりとやわらかく、雨で出掛けることをやめたときには別世界に閉じ込められてしまったように想え胸が弾んだ。
曇り空の日も好きになったのは、日光アレルギーになってからだった。
昨日に続き今朝も気温が丗度に達せず空も曇っているとわかると、自転車を出さずにはいられなかった。大きな橋を自転車で渡る。行きは自転車に乗って、帰りは歩きで。
高い場所にいると、頭が何処かへ持っていかれてしまう。感覚は残り、肌に当たる風や眼に映る草や川の緑に釘付けになっている。飛んでもいいなと幾度も想ったのだけれど・・・。
橋を下りたところにある店で、小岩井のヨーグルトを買った。壱年振りとか弐年振りになるのかもしれない。それくらい振りで買うと、他の知っているヨーグルトとの違いに驚かされる。容器を直接口に当て、其れを今朝出逢ったものを自分の内にしまい込むかのようごくごくっと飲んだ。