例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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茄子と言えば


 茄子と言えば、揚げるでもなく焼くでもなく塩もみ。
 長茄子なのか育ち過ぎなのか、大きな茄子を壱本塩もみし、ご飯にのせて食べる。てんこ盛りになった茶碗はあっと言う間に空になり、今日の夕食も肉も魚も食べなかったけれどご飯を食べなかったわけではないし、と言い訳をして舌を出す。

 表は今日も乾いている。
 朝夕の水やりでは足りないのか、樹にもよるものの土がぱさぱさになっている。
 昔貰った奄美の寫眞集を開くと、歩き廻らないだけで自分たち動物と同じように呼吸していると想われる植物の姿がある。乾くことのない土が育てあげた樹木は大きく、強さを感じる。

 袋に入れたじゃがいも、吊るした玉葱、其の傍で茄子が眠る。此処に来て今日で幾日目になるのだったろう。
 どれだけの水を内包しているのか、未だにみずみずしく見える。
 奄美や屋久島でなくともいいから、また森へ行きたいと夢を見る。ぬかるんだ足元。昼間でもうす暗い空間。
 ねぇ、茄子、何処で生まれた?
 極楽鳥花から顔を出す蜥蜴と茄子が重なっていく。

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