自転車に乗って
2025, Jul 12
丗度を下廻った気温。昨日烈しい雷雨に備え北側ばかりか南側のシャッターも下ろし、余計に部屋がうす暗くなっている。そのせいか朝がより涼しく感じられ、ふいに家を出たくなる。
線路沿いを何処までも行けたらよかったのだけれど、線路なんて通ってなく、知らない道を自転車で走った。走っている道が県道なのかどうかもわからない。高く大きな建物が何であるかも知らない。ちょっとした冒険。そんなふうに想えて昔観た映画を思い出す。それから彼や彼の友人たちと過ごした夏の日のことを。
いつだって今は此の瞬間にしかない。そして過去のどの瞬間にも弐度と逢えたことはない。あたしの内で交錯する過去。夏かと想えば、次の瞬間辺りは壱面の雪景色になっている。絶え間なく現れる時間、絶え間なく過ぎ去っていく時間。速さについていけないと想った瞬間脱げた帽子がうなじをくすぐり、自転車を止め帽子をかぶり直す。
未来に夢なんて求めない。此の瞬間に命を託すだけ。揺らしてるだけ、揺らしてるだけ・・・。帰りはBLANKEY JET CITYの歌を口遊み自転車を漕いだ。