電話
2025, May 24
電話するのは苦手だった。以前は冒頭の挨拶から何から何まで壱字壱句書きとめ、其れを読んで電話していた。友人にすらそうだった。例外は彼ひとり。そんなふうだったので壱日壱度しか電話を掛けられなかった。
母のケアマネージャーに、介護施設に、病院の面会の予約に、親類に、と壱日電話を掛け、できたと安堵したのも束の間、其れだけで疲労したのか今日も弐階の部屋でいつの間にか眠ってしまっていた。
夕食はヨーグルトにナッツ。昼寝してもまだ眠い。何故こんなにも能力がないのだろうと落ち込みそうになる。
眠ったら元気になるよ。そうつぶやいてカエルの人形を枕の隣に置いて、自分の手首を舐めた。けれど、猫がするように全身は無理なのでカエルの人形に躯をくっつけて眠りに入った。幾歳まで此れをしているのだろうと想いつつ。