夏の匂い
2025, May 23
引っ越す前和室で使っていた扇風機を台所に置いた。風がやわらかく、気持ち悪くならない。首が上下左右に動くところも気に入っている。熱中症対策と記されたボタンもついている。
台所と隣り合わせになったあたしの部屋は拾字に風の通り道があり、今日のように風のある日は或る程度気温が高くなっても室内は過ごしやすいと想うのに、熱中症対策のボタンを押したら注意の文字が赤く点灯する。
朝の体温は35、6度。昼は36、1度。今年も注意が警戒に変わる頃、37度近くまで上がった体温に苦しむのかもしれない。
夕食は胡麻豆腐にいんげんのバター炒め、メンチカツ。彼の隣にはきいろの缶の独逸のビール。此の壱本だけ引っ越しの荷に入れてきた。
空気にほんの少しだけ夏の匂いが混じっている。宵の散歩に彼を誘う。