例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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敬う想い


 彼の元住んでいた地域と自分が元住んでいた地域の違いを、町と村との違いくらいにしか捉えてなかった。お布施に対する感覚が全く異なることに驚愕している。試しに全国の相場を調べると、自分が住んでいた地域が額が低いわけでなく、彼が住んでいた地域が異常だとも想えることがわかった。

 一周忌と納骨に当たり、悦んで包める額のお布施を謹んでお渡しする。自然に頭が低くなる。
 母と普段つきあいのあるいとこふたりに参列してもらったが、兄のように想っているいとこも形式に拘らない人で、こうした方がお坊さんも楽だからと耳打ちしてくる。住職も奥様もやさしい。なんだか和気あいあいと云う雰囲気。気持ちがよければよいほど、頭が下がる。彼もこんなふうなのを好んだなと想うと、また頭が下がる。そんなとき少し自分が消える。
 人間関係に自身の理想も正義も関係ない。互いに擦り合わせがうまくいくかどうかではないだろうか。棄ててきたものがちらっと頭に浮かぶ。無理の言葉が頭に浮かんだ傍から消えていった。

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