エール
2024, Jul 31
自覚のない疲れが躯を襲う。自宅に帰っても横になってばかりいた。
起きられるようになった頃、一周忌と納骨を済ませたことを彼の友人に報告する。以前ごたごたを話してしまったことを謝り、今は縁切りしすっきりしている旨を伝えると、間もなく返事があった。
縁切りは正解、の返事をくれた人に笑う。彼はいつも冷静な意見を言う人かと想う。其れが女性には冷たいともとれるらしく、こう云うことを言ったらまずいのだろうなと彼に話していたことがあったそうだが、彼も彼で同じ意見だったそうだ。其の話は話でわかるなと想いつつ、意見の方は良い意見だと想い聞いていた。
何に拘ればいいか、何処が問題か、把握し、適切に対処する。余計だと判断したことは頭から離す。例えば、愚痴を言う者、ひたすら保身に走る者、はこれができないからそうなってしまうのだと想えて仕方ない。
風呂あがり届いていた壱通の手紙を読むと、入院し暇な時間に書いたと記されていた。ひとり暮らしの此の人はひとりで全部・・・と想うと、心配も不安もあるだろうにいつも通りの言葉の運びにエールを送っていた。
問題を抱えていない人がいるのだろうか。孤独は何処からやってくるのだろう。他人との交流以前に、他者を想い描けないことにあるような気がする。