恢復
2024, Jul 31
眠っても疲れが取れず、躯のあちこちが重い。脚や背を伸ばし、腕や肩を揉みほぐすと少し楽になった。
かつて一緒に暮らした猫たちは痩せていた。町で見かける猫を見ると想う。それでも抱くと重かった。
子供の頃から筋肉量が少なかった。体育の授業は大嫌いだったけれど、躯を動かすのは好きだった。
鶏肉はたまに口にしていた。豚や牛の肉は全く口にしなかった。風邪はよくひいたがあとは健康そのもので、両親はあたしが余り肉を口にしないことに対し何も言わなかった。
食べる量が少ないと想ったことはないのに、特に彼の友人たちは、もっと喰え肉を喰え、と言う。自分と同じように小柄な女性でも活動的な人は、自分よりずっと食べる。それに気付いたのはここ数年のこと。
確かに食べることはだいじだなと想う。が、残念ながら食べてもあたしは恢復しない。傷付いた獣の如く躯を舐めるようにさわってやると、だんだん調子が戻ってくる。それからやっと食べられるようになる。
仕様がないな、と笑い立ち上がると腹に何か入れたくなった。昨夜ヨーグルトで夕食を済ませてしまったことは秘密にしておこう。