新しいかどうかでなく
2025, Jun 20
何年前に入れたのだかわからない畳は陽に焼けて色が茶になっているものの、然程傷んでいない。
ちょっと擦ったくらいで表面に傷ができる畳に驚いたのはいつだったろう。以前住んでいた借家の畳もそうだった。取り替えたばかりだと判るうす緑をした畳の表面が脆いとわかり、ラグを敷き使っていた。
引っ越しの際、それまで使っていたラグを数枚持ってきた。新しくなくても竹や麻が使われているものは感触がよく、棄てたくなかった。其れを自室に敷き、元々此の家にあった夏用のイグサのラグを母の部屋と和室に壱枚づつ敷いてみた。
和室には敷かなくてもよかったのだけれど、敷いてみると青い色と朝顔の模様がアクセントになり、涼しげな雰囲気をかもし出している。昼寝するのによさそうな部屋になった。
畳のへりでできた母の手提げも掃除し、桐箪笥と籐でできたチェストを並べた辺りに置いてみると素敵なことになったので、どれも棄てないからあと入院中の母に今日も呼び掛けて笑う。
そうして、新しいかどうかでなく使えるかどうかなの、とひとりごちた。