例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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形は変わる


 伍リットルのペットボトルは重い。水を汲む日は買い物ができない。夏の日、冬の日、雨の日、と天候も考え食料量販店に水を貰いに行く。ビニイルの生地を買い手提げを作って正解だった。濡れても平気だし、幾つか付けた小さなポケットは鍵やハンカチが取り出しやすい。もうひとつこしらえてとも想ったけれど、いずれ此の水汲みもおしまいになる。
 もう行かなくなってしまった場所にもう壱度だけ行ってみたい気もするけれど、沢山あり過ぎる。
 何もかも思い出になっていく。そんな詩を高校の終わる頃だったか終わってしまってからだったか、書いたことをふいに思い出した。果敢ない壱方で、未だに残っているものがある。残っているものは思い出す都度新鮮で、果敢なさとは程遠い。

 夜は相変わらずぼうっとしてしまうことが多い。けれど、朝起きると毎日倖せを感じる。今朝も彼におはようを参回も言っていた。亀たちにもカエルの人形にもおはようと声を掛ける。此れは果敢ないと想わない。明日全く違う朝がやってきたとしても、想ったりしないと想う。
 彼が作った非常用(トイレ用)の水、ペットボトル伍本分をそのままにしてある。此の間母の家で非常用の水を入れておくのに良い容器をふたつみつけ、マジックで非常用と書いてきた。引っ越したら彼と同じことをするつもりだ。
 形は変わる。根底にあるものはそのままに。

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