倖せな朝の為に
2024, Jul 24
毎日の酷暑にお気に入りになった珈琲豆を買いに行けない。朝玖時から営業している近所の食料量販店の珈琲コーナーの前で悩むこと拾壱分。夏限定と記された粉の珈琲に決めたのは昨日のこと。
おはよう、と家の者みなに声を掛けた後胸がどきどきしてくる。あたしに珈琲は決して安い買い物ではない。
珈琲の封を切り、まず匂いを確かめる。珈琲のいい匂いは感じる。湯は慎重に沸かす。温度の高い珈琲なんて以ての外。苦いだけの珈琲なんて珈琲ではない。蒸らしてゆっくり湯を廻し、溜まった珈琲を珈琲ポットからカップに移しひと口含んだとき、苦味と一緒に甘味を感じ頬がゆるんだ。
今朝も珈琲です、と言いながら水と一緒に彼に持っていく。
朝食を食べ亀たちは落ち着いたのか、掃き出し窓の向こうは静かだった。