突っかかりのあるもの。整理されているようで乱雑であり乱雑であるようで整理されているもの。ぎこちなさ。敢えて綺麗にまとめないこと。
　終わりは始まり、始まりは終わり。
　感情で割り切れないもの。理屈で整理できないもの。
　取り戻せないもの。記憶。残像。
　漠然とし曖昧ではあるものの不確かでないもの。
　ふれたような気にさせてくれるもの。耳をすまさなければ聞こえないもの。
　そして、眼の前にあるもの。手ざわり、感触、ぬくもり、吐息、まなざし、無言、・・・。わたしの好きなもの。

　其れが拒否できないものだからと言い、受け容れるまではしない。世界にまたひとつ新しい道具がやってきたと想うくらい。人間同士でさえ相手を脅かすものでもあり手助けしてくれるものであったり。
　何がどう使われているか、其れは世間に存在している問題。何をどう使うか、其れは自身の問題。
　強いて言えばそれほど道具を増やしても使いこなせなければただのお飾りと言ったところだろうか。