グレープフルーツティー
2024, May 16
彼が部屋に入ってきた。何故彼がいるのだろうと想ったけれど、状況も何もわからない。そのまま受けいれた。
テレビの前に置いた卓につき、あたしに話し掛ける。パソコンの何だかを焼いたらどうの言うけれど、またそんなわからないことばかりとあたしはぷいと横を向き、台所へいきお茶の用意をする。
電話が鳴り彼の応じる声が耳に届く。相手は伯父らしかった。「うん、そうです。帰りました。未亡人にしておくわけにはいかないから、一緒に暮らします。」
目が覚め、夢を見ていたと知る。
夢ってもっと朧げだったと想うのに、彼の夢はいつも写実的で、夢と現実の境が薄い。
夢の中で淹れようとしていたお茶は紅茶だったと想い、今朝は試供品のグレープフルーツティーにした。いつものようにカップはふたつ。