例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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ちっとも不思議じゃ


 こちらから電話したいところを我慢していると、壱日置いて母から電話があった。こちらが先にせず相手を待つ。無意識に受け身になる母と半ば精神的脅迫にと言っても毎回彼女を補ってきてしまったあたしにとり、其れはだいじなことだと想う。
 こうした方がいいのではと想い浮かんだことをひとつづつ試し母への接し方を変え、歳月はどれくらい過ぎたろう。此の壱年母に頭を抱えることが減ったと想ってから更に漆箇月、帰省できない中でも母があたしから少しづつ降りていくのを感じている。
 いとこには転んだと聞かされたけれど、母に詳しく訊いてみると伯父の家の表に続く部屋から足を踏み外しのだと言う。落ちた、と言うのが正解なようだ。丁度訪ねてきた近所の人が其の瞬間を見ていて、救急車を呼んでくれたそうだ。伯父の家は近所の者の出入りが多く、差し入れもあり、不自由なく過ごしていると言う。大家族で育ったこともあるのか、あたしとは逆に他人と関わるほど母は元気になる。唯一困っているのが、血まで流れた左肩が痛く夜中トイレに行くのになかなか起き上がれないことだそうだが、今夜はソファで寝てみる、と頑張っていた。

 あたし自身、或る日傾いている自分に気付きひとまず倒れる心配のないところまでもっていく、と云うことを幾度も繰り返している。そしてこれからもあたしはそうして過ごしていくのだろう。
 外に出て躯がふるえる自分が普通だわ・・・。口に出して言ってみた途端、気になっていた電車内の自分がなんでもない自分になった。今日、パニック障害にも色々な型があり全般性不安障害と言われるのものを初めて知った。あたしは其れに近い傾向がないこともないと言ったところだろうか。少なくとも数年前と違い、近所の食料量販店には考えぬくことなく出掛けられるようになっている。
 ライブのチケットは大きな暦に留めたままでいる。苦手なことが全部嫌だと想わずにできてしまうものがある。其れを想うと、ふいに耳の内がROSSOの「アウトサイダー」でいっぱいになった。それだけで生きてけんのはちっとも不思議じゃねえよ・・・。そうしてあたしは性懲りも無くまた泣いた。

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