例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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いい天気


 迷ったまま動かなくなった十字路、角に貼られたポスターは泣き出したスージー・スー、列を乱した蟻の群れが通り過ぎていく、バックミラーに映っていたのはショッピングモールの巨大なビル、振り向きもせずに鳥は飛び立った。
 夢を見ながらうたっていて、うたいながら眠っていた、と云う夢を見ていたらしい。先に起きた亀が廊下をバタバタと歩いていて、昨夜はよく眠れたことを知る。やはり珈琲を飲んだのがよかったのだろう。

 いい天気。風が強い。笑いながら外を歩く。
 コンビニ受け取りにしたブルーレイは想像以上に大きく、持って行った手提げ袋に入らず抱えて帰る。
 あと壱日と迫っても、実感はまだ湧かずに地に付いていないように感じられる足を朝から幾度もさすっている。凡そ廿年振りの出来事は、自分の身にも廿年流れた歳月を改めて教えてくれるけれど、振り返りはしない。
 小さな橋の上に立った時、強い風に合わせ両手を拡げると鳥たちの歌が聴こえたような気がした。

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