例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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あたしたちらしい



 台所と自室を分ける間仕切りは腰より上の高さ程で、高さのある書架や箪笥などの家具を置くと後ろに貼られたベニヤ板が気になった。上から杉の板や胡桃色に塗ったすのこを張ってみると、部屋に調和し違和感が消えた。更にサンキライのリースや籠に乾燥花を入れたものを吊るすと、自分らしい空間ができあがった。
 それをにこにこして見ている彼。しまいにはあたしのことなど忘れ、亀たちと遊んだりラジオを聞いたりしている。窓際に置く棚は決めてもいないから、あなたの荷を解くのはこれからでレコードもいつ聴けるようになるかわからないと言っても、ああと返ってくるだけ。
 好きにさせてくれると想っていると、突然亀を買ってきたり、大きな回転椅子を注文していたり、見に行くだけかと想っていたらギターを購入したり・・・。今も突然彼の物が増えるのではないかと疑っている。まあ、それもあたしたちの家らしいけれど。
 間仕切りの上にツリーの入った箱を置くと、彼も満足そうだった。

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眠気の残る中で


 眠くなるのは雑煮のせいだったのだろうか。
 年が明け参箇日毎日昼寝をせずにいられないのは、石油ストーブに因るものだとばかり想っていた。 彼も参箇日は眠そうで昼食をとることなく過ごしていた。
 今朝は石油ストーブのない家で雑煮をこしらえ食べたのに、急に眠気に襲われ動けなくなってしまった。

 気が付くと、丁度目覚めた彼の隣であたしは布団をあげていた。ふたりで炬燵を無くした話をしている。××ちゃんが無くしちゃうからと言われ、無くさない方が良かったと彼は想っているのだろうかと想いつつ、部屋が違うことに気付いた。以前住んでいた部屋のひとつ前のアパートの部屋だった。
 此処に戻ってどうするのだろう。此処ではないと彼に教えている間に夢から覚めた。

 今の場所で暮らすことに抵抗を感じているのは誰より自分なのに・・・。

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特別な日


 朝拾時にコンビニエンスストアへ向かう。悩んだ後で手に取ったのはふたつ入りの苺のミルフィーユだった。苺のアイスクリイムを好んだなあと想い、アイスクリイムにしようかとそこでまた悩んだけれど、アイスクリイムは次の機会にすることにした。
 彼と自分との理由なんて幾らだって作れてしまう。
 今日は特別な日。

 午后、近所の香取神社に参拝にあがる。
 祈ることは平和な日々、戦争のない世界。それと彼の倖せ。風がやさしい日が沢山あるといいな、と想う。

 帰宅し食べたミルフィーユは想った以上においしく、彼を祝うと胸は倖せで溢れた。

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いつもと同じような朝に


 伊達巻風出汁巻き卵を作り終え、予め火の通った大きな海老をフライパンで炙る。壱枚壱枚柄の異なる小さな肆角い平皿に、小さく切った料理を乗せ彼に持っていく。お酒がないなと想ったけれど、小さな酒壜を供えていたことを思い出す。
 今年ほど年明けを感じない年もないと想いつつ、年が明けましたと声を掛けた。

 海老の香ばしい匂いで倖せになった朝。ただそれだけ。

 父にも同じように声を掛けた。
 誰に逢うこともなく、壱日おめでとうを口にせずとも良いことに安堵している。

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引っ越しをして


 無事に引っ越しができました。

 郵便箱にお手紙を入れてくださった方、ありがとうございます。温かい言葉がとても嬉しかったです。Wi-Fiだけは何とかして、パソコンをネットにだけは繋げるようにしようと、気力を保つことができました。

 引っ越し業者経由でBSアンテナとエアコンの設置を頼んだのですが、BSアンテナの方は設置はできないと言われ町の電気屋さんに依頼することになったり(いとも簡単に?、それも屋根の壱番上100パーセントに近い受信状態で設置してくれました。)、エアコンの方はコンセントは設置済みだけれど壁に穴は開いていないと説明しておいたのに、専門の人でないと開けられないのでと言われました。
 エアコンは今日午后設置予定です。寒くて荷解きが進まず、今日やっとパソコンを掘り起こせた次第です。

 暮らしを整えるまでにまだ数日かかりそうで、此処に日記を記すこともなかなかできずにいますが、先が見えてきて安堵しているところです。

 今年も残り僅かになりました。よいお年をお迎えください。

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