階段
2024, May 29
弐階に物を移動させる為、階段を幾度も往復する。壱階の窓辺に眼をやると、何往復でもできそうな気になる。
窓以外の改築は契約書はまだで日取りも決定してはいないが、時間の問題だ。決まれば片付けに追われることはわかっている。
物への執着は人により異なる。例え家族でも個人の物は勝手に扱えない。其れを持って行ったり戻したりする者の気持ちがあたしにはわからない。意地悪でするのだとしても、相当の勇気を以てして壱度さわれるかさわれないかと云ったところではないだろうか。
誰に使われたか知れやしない物は気持ちが悪い。此の機会に、或る程度残し、あとは布団でも衣類でも処分しようと想う。
鋸も釘抜も筆記具も、あれほどあった醤油や洗剤も残らず消えている。そして何故か白砂糖だけが沢山残っている。其れは困った末の行為には見て取れず、汚らしさが残された。
此処で起こった出来事を壱掃するべく階段を駆け上がる。窓から入る風が気持ちいい。