過程
2024, Apr 21
原産国ニュージーランド、と記された大きなカップのアイスクリイムを買って帰る。蓋がなかなか開かず格闘すること拾数分。ワイルドベリィなどでできたベリィソースとバニラがマーブル模様を描いた中味に頬がゆるむ。
参時に食べようと決め、以前から処分しようと想っていたハンガーラックのカバーをひとまず外そうととりかかる。大胆に鋏を入れカバーを外すとすっきりした見た目になった。上に棚が壱段付いていて帽子をしまっておくのに丁度良かったことを思い出し、処分するのは止すことにした。
細々としたものを整理しているうち、あっと言う間に参時になった。
藍色の皿を出しアイスクリイムをのせる。アイスクリイムを食べてもいいような硝子の器があるのに使わない。ベリィはあまりあまくなくていいのだけれど、酸味が足りなく、想っていた味と違っていた。
少しづつ修正し好きなものにしていく。アイスクリイムに黒すぐりのジャムを足す。ハンガーラックには自分でカバーを作って掛けてみよう。
此の過程が好きなの、とつぶやくと、もう越していくとわかっている部屋がいっそう自分に近いものになった。