例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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砂漠のバラ


 まる壱日ではないけれど、昨日喉に痛みがあり風邪を心配した。たぶん黄砂に因るものだったのだろう。
 東京ではだいぶ降ったと聞く。車の屋根が白く(黄色?黒?)なるほど此の辺では降ることなく、遠くの空がぼんやりしている程度だった。

 以前アンモナイトの化石を探していた時みつけたのが砂漠のバラだった。自分が手にしたのはメキシコ産だったけれど、場所により色や形が異なるらしい。それから雨季に一斉に花開く青いノラナ。
 深刻な問題と美しさは表裏壱体で、脳裏に砂漠を焼き付ける。

 白い海岸が見たくていつか出掛けたことも。
 阿部公房の「砂の女」はかあさんに貸したまま。よくわからないと言われたし、今度返して貰おう。
 砂、じゃりじゃりとして厄介なもの、さらさらと零れ落ちるもの、・・・・。濡れた砂の上を歩くのは気持ちいい。

 幼い記憶のひとつに、家のすぐ前の砂場で遊んでいた場面がある。なんで砂場があったのだろう。とうさんが面白がって拵えてくれたのだろうか。
 いつかあそこへ行ってみようなどと想ったりするのだけれど、あそこと言っても砂漠なのか、記憶の中の砂の中なのか、自分でもわからない。ただ幾つもの砂漠のバラを眼にできたら倖せだろうと何故か想う。

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