疾走する
2024, May 28
母の家へ行き、壱階の東、窓際の物を中央へ寄せる。それから窓掃除を始める。
母に予定を合わせても疲れるだけなので、自分の都合に合わせることにした。いずれ自分の部屋になるのだと想うと、疲れても気持ちがいい。
北側に設置されているシャッターの伍枚のうち壱枚は、以前から開閉できなくなっている。けれど、もう壱枚開閉できないことになっていた。それを叩いたり揺らしたりして無理矢理押し上げるとシャッターは開いた。
ふと以前から開閉できなくなっているシャッターも開くのではないかと試みると、それまで頑として動くことはなかったのに、幾らか緩んだのカタカタと音を立てる。まるであたしの開いてと言う声に呼応しているかのよう想えて、このまま何度か叩いたり揺らしたりしていれば、そのうち開くのではないかと云う気になる。そんなことが嬉しくて疲れて泣くように笑う。
夕刻になる前、いとこがやってきて大根と葱を置いていった。葱は下仁田ネギのような太い葱で、抱きかかえて笑う。
とにかく笑う。伍月の後半が嫌いで嫌いで。笑って、そうして、伍月を疾走する。