例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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強風


 朝のうちは強い風は吹かないだろうと買い物に出掛けると、困ったことになった。風はいきなり強まり、躯を叩くように吹いてきた。慌てて店の中へ入る。買い物を済ませ後は帰宅するだけだと再び外へ出ると、颱風のときにでもしか聞けないような音が辺りを包んでいた。
 アスファルトや電柱や建物の壁を烈しく叩く風は容赦なく自分にも向かってくる。車の往来こそあるが、徒歩の者は殆ど見掛けない町で、あたしはいつにも増して異邦人の気分にさせられた。
 関東平野特有のからっ風には慣れている筈が、此の冬は風が止むことなく吹き続けている。加えて今日の風の強さに髪はすっかりぱさぱさになった。けれど今のあたしには此れがいい。突風の如く瞬間笑ったりするものの、反応が薄くなっている自分に(自覚はあるのだけれど)都合の悪いことは何もない。

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