刹那
2024, Mar 30
川の水は緑。辺りはいちめんの菜の花。眼に映るのは刹那の夢。
今月参回目の帰省になった。当分此の生活を送ることになるかもしれない。
何事もなかったようにバスは橋を過ぎ、淡くもあり鮮やかでもあるものがまたひとつ瞼の裏に足された。
座席に座り直し、あたしは今日も現在と過去を同時に想う。同時に想うと脳裏に自然と明日が描かれる。自分も父も夫も猫たちも、あたしに於いては齢をとる。刹那の隣に永遠のようなものを見た気がして、バス中淡々と時を過ごし目的地へ着いたら着いたで淡々とバスを降りた。
舗装されていない裏通りに壱箇所昨日の激しい雨が作った大きな水溜りがあり、えいと言い飛び越える。青空にはぽこぽこと音を立てできたような小さなまるい雲が幾つも浮かんでいる。見ていたら何だか歌をうたいたくなった。
「瞬間毎に爆発する」
信号の傍らには水仙が咲き乱れ、きいろがまぶしかった。