冬木立
2025, Jan 18
壱昨日歩いた方向とは逆に土手の道を歩く。
午前中は曇っていたのに、晴れて川の上に上る太陽がまぶしい。ものの数分で躯が温まり上着を脱いでしまいたくなったほどだった。草木は茶色ばかりでなくところどころ緑が混じり、遠くに見える山並みや川の水面は真っ青な色をしている。こんなに綺麗だったろうかと想いカメラを向ける。
冬は風のある日が多く毎日は歩けない。風の止んだ日にまた来ようね、と先を行く彼に声を掛ける。冬でなかったら、風が強くなかったら、此の人は土手を下りて行って川の様子を眺め魚がいると言っては手招きするのだろう。
途中に星が引っ掛かりそうな細い枝を拡げた細い細い樹木をみつけた。まるで彼のようだと想い下まで行き見上げると青空を突き刺していたので、あたしはてのひらを差し出し彼が青空をとってくれるのを待った。