例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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ひとりとひとりきりと


 テレビとブルーレイをやっと設置する気になりコードを繋ぐ。彼の繋いだ通りにしなければ、あたしはテレビも観ることができない。

 たまに連絡する友人がいても、其のこととひとりでないと云うことは違うことだと想う。暮らしが機能しているか否か。自分のひとりと云う感覚は其れに尽きる。

 眼の前から彼がいなくなりあたしはひとりになった。一緒に暮らしを進めてくれる人がいなくなった。どうしようもなくあたしはひとりになった。けれど、ひとりきりではない。彼と云う話し相手は今もあたしに存在している。
 ひとりとひとりきりとひとりぼっちとでは皆違うんだよね、と言うと長い髪をした彼が傍らで真剣に聞いていてくれた。

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