ストレート
2024, May 21
失効される前に彼のカードに入っていたお金を使うべく、家から離れた店までひとり徒歩で行く。狭い店舗に所狭しと物が並べられている其の店に、コロナ禍になり彼がひとりで行くようになってからあたしは行っていなかった。
高速道路下の長い横断歩道を信号を気にしながら早足で渡ると、八百屋も食料量販店も花屋も消えていた。肆年半の月日に改めて圧倒される。
ロールパンの他にクラッカー、パンと言うよりスナック菓子のプレッツェル、・・・、と日持ちしそうな食品を選ぶ。帰り道、ひとつくらいなら缶詰も持てたなあ、と想う。
帰宅し彼に意気揚々とし、使い切った、とカードを見せ、これで全てカードは処理しました、と彼の脇にカードを置いた。
何箇月掛かっているのだろうと想っているかもしれない。けれど聞こえてくるのは、よかったね、のひと言。
要らないことは言う必要がない。それより真っ直ぐな自身の言葉を自身から拾いたい。あたしの言葉、真っ直ぐに突き刺され。そう云う想いで絶えずいられたらいいな、と想う。