アメリカンチェリーとサワーチェリージャム
2024, May 20
さくらんぼも随分高額になってしまい眺めているだけにしておこうかと想ったものの、アメリカンチェリーならなんとかと思い切って買ってきてしまう。赤い実の甘酸っぱい味に弱い。
洗って硝子の保存容器に並べたアメリカンチェリーは瑞々しく、夏の朝の美しい光を思い出させる。其れを口に入れると深い呼吸とともに姿勢がよくなり、躯が洗われていく気になる。
口の開けていないサワーチェリーのジャムが台所の棚の上にひと瓶乗っている。冷蔵庫には焼くだけでいい手軽な冷凍のパイシートが残っている。
好きなものを眠らせておくのはいい。贅沢して買ってしまったローズティーも卓の上の小さな籠の中で眠っている。
壱昨々日と壱昨日の夕食はパックのうどん、具は竹輪と蒸したきゃべつ。昨日はかつを節のおにぎりと豆腐、と粗食であっても好きなものに違いはなく、それはそれで倖せな気持ちになるのだけれど、たまに普段口にしないものを口にすると明るい気持ちになる。其れが好き。
ローズティーとサワーチェリージャムのパイを並べて想像し、素敵と笑い彼に目線を合わせると、ピンクストロベリィのリキュールを加えたらと教えていた。