例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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ちまちまとした


 コートを羽織っても暑く感じることはなく、羽織ったまま買い物に出掛ける。
 櫻だの藤だのと開花が早く、感覚が狂ってしまった。午前中は空気がひんやりし、まだ上着が要るのが卯月だったと思い出す。
 壱年毎少しづつ違う季節に壱年毎戸惑いながら過ごす自分に呆れたり笑ったりしながらこれから先も過ごしていくのだろう。同じようでいて巡ってくる季節は真新しい。
 自分も服も壱年毎古びていくのと同時に育ってもいく。泣きたくなるくらいゆっくりした速さであっても、学んでいくことがあるなら嘆きはしない。

 昨日腕をとってしまったうさぎを直して棚の上に置いておいたら、いつのまにか家族が台所に持ってきて卓に乗せていた。参時を過ぎたお茶の時間、それなりにできたもん変じゃないもん、と言いながら珈琲とお菓子を彼の前に置くと、可愛いね、とひと言・・・。
 自分で作っておきながら、また余計なものを増やしてしまったと想ったり、何かの(自分の)足しにしていこうと想ったり・・・。

 ちまちまとした自分。ちまちまとした日々と暮らし。
 かぶを買ったから夕食はクリイム煮にしようと、おやつを食べてちまちまと動き出す。

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