黄水仙とアマリリス
2025, Apr 05
菜の花は散り終え椿だけになった藍色の花瓶に黄水仙を足し、鳳凰だか孔雀だかが描かれた紺色の花瓶には背の高い桃色の花ときいろのアマリリスを活け、水仙も弐本添えてみた。
ほら、と彼の前に藍色の花瓶を置き、とうさんにも、と紺色の花瓶を傍に置く。
今朝見たら、うちのアマリリスの莟がひとつ増えていた。
ひとつと呼んでいるけれど、ひとつから花が幾つも咲くのでひと塊の莟と言ったらいいのかもしれない。濃いオレンヂ色の百合に似た大きな花は見事で、其れが花瓶に葉と一緒にひと塊どーんと云う具合に活けられているのを初め見たときは、母の性格そのままと想ったこともあり笑ってしまった。
今日の面会では、呼吸が安定してきて、目を開ける時間が長くなり、呼びかけに反応するようになった母がいた。
まだ予断を許さない状況でもあるけれど、良くなってきている状況でもあり、あたしは眼の前の母に集中する。