夢のようなひととき
2025, Apr 26
芍薬弐輪だけになってしまった花瓶の花。腐るのが早くなった季節。台所の家具の配置を変える。
CDラジオカセットレコーダーの電源をやっと入れる気になり、迷いなくジミ・ヘンドリクスの「Blues」のディスクを選ぶ。伍曲目の「Voodoo Chile Blues」に泪を零してしまう。何故か此の曲に泣いてしまうようになったけれど、此のCDに入っているバージョンでしか泪は零れない。
動いていること。生きていること。呼吸をしていること。録音された音がそうなら、此の台所も同じ。そして其処にいる彼も。何より其れを感じている自分。絵に表したなら芍薬は画面(台所)いっぱいに花を開かせ、小さなあたしを包んでいる。
感覚に抱かれている時間。夢のようなひととき。