風をあつめて
2025, Jun 09
入り口から上がり框までビニイルシートを片側だけ敷いた玄関。もう片側はコンクリートのまま。其れに対しては不満はないけれど、コンクリートに付いた大きな染みが気になっていた。
何か零したのだろうか。中性の住宅用洗剤を吹き掛け如雨露の水で拡げデッキブラシで擦ると消えた。どうせならと、ビニイルシートを外に出し、隅から隅までデッキブラシで擦る。ビニイルシートもデッキブラシを掛けた。
玄関を網戸にし部屋でくつろいでいると、母の携帯電話が鳴った。
いとこは変わらず母の携帯電話に連絡してくる。これまでと同じでいいかと訊いてきたことで、彼の落ち着かない気持ちを知ることになった。
今度も面会予約は日曜日でなかったことを伝えると、午后なら休めるから自分も行くよ、迎えに行く、と返ってきた。
玄関から鮮度の高い空気が家に入ってくる。
窓と云う窓を開け放ち、はっぴいえんどの歌を口遊みさくらんぼをつまみ喰いした。