面会日
2025, Jun 06
前回面会は、行きはバス、帰りは途中までしかバスがなく、其の後は壱時間歩きになった。
日光アレルギーの心配があり迷ったが、今回自転車にした。
浮腫みがとれ、前回と比べ顔色もよく母は随分元気になっていた。脚はどうか訊ねると軽いと言い、自分でもよくなったと想うと話す。そうして久々に自分から話をしようとする。
髪を洗って貰っただの、使うものは全てレンタルを利用したことを告げていなかったため用意するのはたいへんだのとあたしの心配をしたり、柘榴が花開いたと教えればなんでも丁寧にしないと何にもならないだの、と話す彼女を、母らしいと想い笑ってしまう。それにつられたのか、母も笑顔を見せる。
前回元気のないところを面会し叔母や叔父が母をどう想ったか知らないが、これまで母の受け答えにおかしいところはなく、それどころか今回もそうだが他人の心配までする彼女をあたしは誇らしいとさえ想う。
時間になり看護師さんがあたしを呼びに来ると、またね、と元気な声で母が言うので、安心して帰路についた。自転車を走らせるのが気持ちよかった。