西日の射し込む部屋で
2025, Mar 20
みぞれと間違えるほどの雪が舞う朝、亀たちの前に座り今日は外へ出られないことを告げる。
小さな亀の方は甲羅が少しづつきれいになってきていて、大きな亀の方はごはんこそひと粒も口にしないが変わりなく過ごしているのを見て春を想い浮かべていたが、参月は雪が舞う月だと云うことが頭から抜けてしまっていた。
夕刻になり西日が射し込む部屋は明るく、窓がオレンヂ色にまぶしく染まる。
シャッターをあげたら部屋の雰囲気がだいぶ変わるのだろうなと想うものの、まだ其の気になれていない。
あたしのすることときたら本当に少しづつ壱歩づつで慎重にも程があるのだろうが、確実さではちょっと自身があるよと亀たちに笑いかける。
何に一生を費やすか、ひと言で表せないでいるけれど、心は決まっている。