花の名
2025, Mar 26
昨夜の春雷が瑞々しい朝を連れてきた。門扉の外に置いた鉢植えが濡れている。しろつめ草(の葉)に似た植物の名は知らないけれど、青々とした葉が清々しい。
昨日耳にした春告鳥の声を思い出しながら散歩に出ると、レンギョウの花をみつけた。彼と自転車で走る道すがら見ていたレンギョウのきいろはいつ見てもまぶしい。
それから少し行くと爽やかなあまい匂いを感じ、沈丁花の開花を知った。以前住んでいた借家を出、町を流れる小さな橋を渡った先に沈丁花が植えられていた。彼と一緒にいて花をみつけると、此れ何?、って其の都度訊かれた。それほど花の名を知っているわけではないのにと想いつつ、花の色や匂いを一緒に感じるのは愉しかった。
菜の花は昨日より今日と、壱日壱日土手をいっぱいにしていく。其の間を抜けていくようにイヌフグリが咲いた。
花の名を口にしながら歩いていく日々。ホトケノザ、なずな、水仙、白木蓮、・・・。此の町でもあたしは悲しさを口にしないでいられる。