空間
2025, Apr 14
雨の降る寒い朝。
昨日乾いたばかりのカーペットを弐階に拡げたが、朝から階下に下ろし母の部屋に敷いたカーペットと入れ替える。薔薇模様のゴブラン織りのカーペットも違和感がないから不思議だ。
統一感も何もない母の部屋はおもしろい。主不在でもそれなりに賑やかだ。
母が移動した病室は集中治療室と面会の仕方が違っていたことに、参度目で気付いた。開始時間伍分後に着くと中に入れて貰えず、次は肆拾分後だと言われる。
名を記入する用紙に貼られた付箋に、肆拾伍分毎面会できることを知った。初めて面会に来た人は同じように勝手がわからないらしく戸惑っていた。他県から来たと言う人は、呼び出されて来ると弐日続けてキャンセルされ、他県から来ていると文句を言うと弐日目は拾分後に通されたと話す。
賑やかになった待合場所。
本来ばらばらであるものがまとまった空間。絶妙な均衡。
母のを失敬した折り畳み傘は、かなり明るい色のブラックウォッチに赤の細い線が入った柄。明日は変わるだろうが、今日は其の中にいられる。