例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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秘密


 銀行が潰れたと誰かに教えられ、郵便受けに封書が届いているそうだから早く見て、母に言われる。
 郵便受けを覗くと長形肆号の茶封筒が入っていた。宛名は銀行名、中身は薄っぺらい薄っぺらい内容の用紙が壱枚。何をどうしろとも記載されていない。
 気が付くと隣に彼がいて契約書と証明書を用意するよう言われるが、貰ってなどいない。すると今度は長葱を用意するよう言われ母が渡すと、上まで要らないから、もったいないからおかあさん切ってください、と母に短くしてもらっている。
 そこで目が覚める。

 心配しているのだろうか。家賃の支払いがなくなれば、先々暮らしていける予定。
 調子、と言うより此の弐、参日気分が落ち込んでいる(気圧の関係だろうか)。今日も午前中ぼうっとしてしまった。夕刻胃の辺りに痛みを覚え何だろうと想ったが、膀胱炎になりかけていたのだと気付く。トイレに行くのを忘れてしまっていた。数年振りのことに戸惑い落ち込みそうになる。
 波があるだけ。誰も知らなくても自分はわかっている。

 或の夏のふたりで過ごした冷えた静かな部屋にあたしはいつでも行ける。どうしたら彼に逢えるか、知っているつもり。
 夢に出てくる彼はもう痛がってもなく頬も脹らんでなく顔も歪んではいない。
 珈琲は飲めるようになったでしょうか。また夜更かしをするようになったのでしょうか。お酒を飲むならほどほどに。今年も大きな亀が卵を産むようになり、ちょっと困っています。で、何故葱だったの?わけがわからず、あなたほど素敵な人はいないと言ってあたしはまた笑っていました。

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