時期
2024, Jun 19
まるで、樹木が花をつけるよう鳥が空を渡っていくよう、人にも時期があることをしみじみと想う。
歯医者通い保健が使えるのが拾月になると言われ、母の家の改築も其の頃だと言われ、引っ越しは冬の始め頃と想っておくのがいいだろう、とざっくり予定を立てていると、アパートの管理会社から電話があった。
弐階の住人が引っ越し建物が古いので、と言われ、自分が最後の住人になったのだと想った。改築と歯医者の話をし遅くとも年明け頃には・・・、と返事をした。
これで土地の問題も終わればすっきりするのだが、道理の無いものは数に入れられない。
時が導いてくれるから大丈夫、と彼に伝える。
あたしにも失敗があり、彼にも失敗はあっただろう。けれど、後悔するような、取り返しのつかない失敗はあっただろうか。胸に大きな風穴が空き、背に深い傷痕を作っても、目線は下がっていない。
外は雨。
梔子が花をつける日を愉しみにしている。