例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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白緑色のカーテン


 拾年近く使った白緑色の遮光カーテンを改めて手に取ると、特に傷みもなく汚れもなかった。
 此処に越したとき、寝室兼自室のカーテンは以前と同じ白にしたかったが、ひと際大きな掃き出し窓に合ったカーテンは限られていた。白い模様が入った白緑色ならと此れに決めたが、部屋に掛けてみると模様は明かりで光り、使ってみて想った以上に綺麗なカーテンだとわかり、以前使っていたものより好きになってしまった。
 丈を詰めないといけないが、引っ越しても使えそうだ。あと何年使えるかわからないが、壱年でも長く使いたい。

 見慣れていても新鮮に見えるものがある。幾ら傷ができようと風合いの変わらないものがある。
 残っていくもの。残らなかったもの。良いと想っても残らないものがあるのは確かだけれど、廃れたわけでも不要になったわけでもなく時代と云う事情に押しやられてしまっただけだと想っている。
 あたしも絶滅危惧種になりかかっている生物で、壱年後すっかり忘れ去られても自身ではわからずに飄々と生きていたりするのかもしれない。

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