泥付き野菜
2024, Jul 03
いとこたちから宅配便が届く。段ボール箱を開くと、立派なじゃがいもとひとりで食すに丁度いい小振りの玉葱が入っていた。早速玉葱を流しに移し泥を洗い落す。
ひとつとり、薄く切り軽く炒める。生の玉葱の辛さが苦手だ。明朝食パンにチーズと一緒に乗せ、トースターで焼いて食べよう。保存容器に入れながら、くすっと笑う。次の夏が来ればいとこの家でうどんを茹でたり天麩羅を揚げたりして過ごすのかもしれない。そうして、ねーちゃんも食べてみ、と言われ柱の陰でこっそりつまみ喰いして、にこにこ笑っているのかもしれない。
気負わず、身構える必要もない人と一緒に過ごす時間。道理、善悪、整合性、と其れがしっかりしている相手に、何も考えることはない。
違和感は暮らしを脅かされるほどまでに大きい。
真面目で固く面白みのない人間で一生を終えていいと想っている。そして、他人の役に全く立たなかろうが、取り敢えず信用してもらえる人間であり続けたいと。