例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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歯車を戻す


 母の家に着き、作業を開始する。
 まず、予め壱箇所にまとめておいた廃棄予定物を種類毎袋に入れたり縛ったり外へ移したりした。其の後、台所に置いていたステンレス製の大きなワゴンを外へ運んだ。下に貨車が設置されているので楽に運べると想っていたら、全く貨車は動かず、少しづつ移動させていくしかなかった。玄関を下りるのに弐段になっている階段を下ろしていくのに結構苦労したものの、外へ置くと台所も外の空間もすっきりし満足する。

 デイサービスから戻った母に、実は、と思い切って切り出した。
 母の家なので何も言わなかったけれど洋室の壁板も縁側に塗られたペンキもみな気に入らなかった、と離すと、叔父が相談もせずに勝手にしたのだと教えられた。
 こんなものでいいだろう、と云う心は物に現れる。それでも叔父が合鍵を作り黙って母の家に出入りしたり物や金銭を持ち出すことをしなかったなら、素人だし親切でしてくれたのだし元々大雑把な性格なのは知っているしと想い有難い気持ちが揺るぐことはなかっただろう。
 残念な気持ちも、信用も、簡単には戻らない。

 母の家で過ごすときは、ずれてしまった歯車を元の位置に戻すことを想い描き動いている。(そんなとき日常生活に支障をきたすほど神経質な自分がちょっと退いてくれるのが嬉しかったりする。)

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