例えば秘密のノートに記すように。

cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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桐箪笥の思い出


 桐箪笥は残そうと想っている。着物を入れる為の箪笥は上段と下段に分かれ、上段は扉の内側に引き出しがあり、下段は扉はなく普通に引き出しになっている。引き出しは壱段壱段が浅く、下段は引き出し毎鍵が掛かるようになっている。着物以外の物を入れても重宝しそうだと想えた。
 桐箪笥は元は町医者だったエズラ先生の家にあったものだと聞いている。扉の内側に何だか立派なことを記したシールが貼られている。此れを眼にする都度、躯も声も大きく豪快とも言える、それでいてやさしかった先生のことをこれからも思い出すのではないかと想う。
 母の家のある町へ行き、本当に極たまに先生の家の前を通ることがある。以前とは様子が異なり、然程面影は残ってないけれど、奥から先生の声が聞こえてきそうでなつかしい気持ちに襲われる。
 いい気持ちやいい人は何度でも同じように思い出せる。
 今朝は、齢の離れた、おねえちゃんとも言えるいとこが自分で作ったと言うトマトを持ってきてくれた。切らずにそのままかぷって食べるとひりでに笑っていた。

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