檜の板
2025, Mar 15
梯子の汚れを落とすと、今度は塀が気になった。
鉄製の引き戸の下のレエルが半分無くなっているが、叔父が取ってしまったと聞いている。錆止めスプレーを吹きかければそれなりに動くのに、何故取ってしまうのだろう。空き巣に入るとき、音が立たなくて都合が良かったのだろうか、・・・とそんなふうさえ想えてくる。
其の引き戸は両脇の塀のトタンと同じに青いペンキで塗られている。母も意向は訊ねられなかったと言う。よりによって嫌いな青か、と眼にする都度あたしの落胆の気持ちが大きいことなど叔父は想像もしていないだろう。然も其のペンキがあちこちについたり落ちたりしているのだ。
屋根も塀もまた工務店に相談する考えでいるが、トタンの内側に使われた板を見ると、雑巾で拭かずにはいられなくなった。
檜だと想うのだが、拭くとやはり綺麗な姿が現れ、撫でてしまっていた。特別注文しなくとも昔はこう云う板が普通に使われていたことに感心する。
自分が良いと想ったものは何年経っても良いと想えるし、好きなものは何年経っても好きなままだ。其処に安易に他人は入れない。