例えば秘密のノートに記すように。

       cancion-de-la-abeja(みつばちのささやき)          

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月曜日に


 週末の異様なほどの人の多さに嫌悪感さえ抱く自分に気付き、改めて人の多さと活気とは異なるのだなと想った。そんなふうに週末の駅周辺の様子を思い出し乍ら月曜日の朝は始まった。雨は遠退き、卓を照らす陽の光がまぶしかった。
 いつものように卓の傍に置いたマスクをし塵出しを済ませ、洗濯機を廻し、亀たちを外の水槽に移し、簡単に掃除をし、珈琲を飲むと買い物に出る時間になった。月曜日に外に出ることはずっとなかったけれど週末に豚肉が手に入らず(手頃なのがみつからなかった)、買い物に出るしかなかった。ついでにアイスクリイムも籠に入れレジまで行くとセルフレジに行列ができていたので、店員のいる方のレジに並ぶとすんなり順番が廻ってきた。すると、涼しそうなマスク、と言われ、手作り?と訊かれ、思いがけないことにただただ首をすくめ頷いた。もともとつきあいの殆どが手紙だっただけ、人と話すことが本当になくなった。
 店はコロナ禍以前より人が多くなり、小学校から声が聞こえるようになり、公園でたむろする女性たちが消え、マスクを外し寄り添いお喋りに夢中になっている人達とすれ違うようになっても、あたしは変わることができずにいる。経済優先と言われても実感が全く湧かない。物事がなんとなくわかってきたときからずっと、物をよく知っている人達から初めて隠され知らされることなかったものを聞かされてきた。優先と言えば米国優先しか知らない。
 解除後は毎夜、或る程度の齢になっている親類や知人を思い浮べ逢えるまで死なないでいてくれと、医療従事者には心が折れないでくれと、祈るような気持ちで布団に入っている。生きていけないとはどう云うことなのか、自問ばかりするようになった。

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